富士山の美しさをカメラに収めるなら、風が穏やかで大気が安定している早朝のタイムスロットを逃す手はない。太陽が東の空から昇り始め、山頂の雪面が薄桃色に染まる「赤富士」の時間帯は、年間を通してもっとも空気の透明度が高くなる絶好の機会だ。
気象データが示す通り、日中の気温上昇とともに地表近くの空気が暖められると、上昇気流が発生して午後は山頂付近に雲が湧きやすくなる。風景写真のクオリティを極限まで高めたいプロやハイアマチュアたちは、まだ街が静まり返る午前6時前に現地に立ち、湿度40%以下という絶妙なエアコンディションを見極めてシャッターを切っている。