かつて公立校の快進撃といえば、1人の絶対的エースが一人で投げ抜く美談が定番だった。しかし、1週間500球の球数制限や熱中症対策の徹底がルールとして定着した2026年の高校野球において、その戦術は完全に破綻する。
いま強豪を脅かす公立校の共通点は、3人から4人の投手陣を緻密に使いこなす「完全分担制」の確立だ。145キロを超えるストレートが投げられなくとも、変幻自在のサイドスローや、打者の手元で手元で手元で動く変化球を持つ複数の投手を継投させ、相手打線に芯で捉えさせない。私立の分厚い層に対抗するために編み出された知略の継投策が、大会終盤での逆転劇を支えている。