創業以来、右肩上がりの成長を誇ってきたニデックにおいて、長年最大の懸念事項とされてきたのが「ポスト永守」をめぐる後継者問題だ。名だたる大企業のトップを外部から招聘してはバトンを渡そうと試みたものの、創業者の圧倒的なスピード感と妥協を許さない経営哲学の壁は高く、バトンタッチは難航を極めていた。
しかし、2026年に向けた最新の組織改革において、同社は従来の「外部頼み」から脱却し、生え抜き幹部を中心とした集団指導体制へのシフトを鮮明にしている。「情熱・熱意・執念」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という永守イズムを骨子としつつも、カリスマ個人の強烈な牽引力に頼り切らない強固なガバナンスの構築へ。創業者が自ら退路を断ち、次世代リーダーたちへ実権を移譲するこのプロセスこそ、ニデックが10兆円規模の超巨大企業へと飛躍するための最大の踏み絵と言える。