1950年代から60年代にかけて、加齢に伴い発症リスクが高まる脳卒中やがん、心臓病などの慢性疾患は「成人病」と総称されていた。この脅威に対抗すべく、行政の強い後押しのもとで全国主要都市に「成人病センター」が相次いで建設された歴史がある。
しかし、1990年代後半に厚生省(当時)が「生活習慣病」という新概念を導入したことで状況は一変した。発症には加齢だけでなく、食生活、運動不足、喫煙などの日常的な生活習慣が深く関与していることが医学的に証明されたためだ。これに伴い、大阪府立成人病センターが「大阪国際がんセンター」へ、滋賀県立成人病センターが「滋賀県立総合医療センター」へ改称されたように、施設の名称や組織体制の再編が全国規模で進んだ。