秋葉原や中野の中古カメラ店を訪れると、異様な光景に出くわす。20年前のCCDセンサーを搭載した数千画素のコンパクトデジカメが、発売当時の価格を上回るプレミア価格で取引されているのだ。海外インフルエンサーのSNS投稿を皮切りに爆発したこのブームは、もはや一時的な流行の域を超えている。
現代のカメラがあまりにも精細で「完璧すぎる」からこそ、かつての低画素機が持っていた独特の粒状感や、白飛びしやすいラチチュード、少し青みがかった独特の発色が「情感豊かなエモさ」として解釈される。高画質化を追い求めてきたメーカーの歴史に対する、皮肉で愛おしい逆説的なムーブメントだ。