フランス座の歴史を紐解くとき、ストリップショーとコントの密接な関係性を抜きにはできない。戦後、大衆の娯楽として花開いたストリップ劇場において、踊り子の出番の合間を埋める幕間(まくあい)劇こそが、若手芸人たちの過酷な修行場だった。
目当てのダンサーを待つ客は、お笑いを見に来たわけではない。生半可な芸では一瞬で退屈の溜息が漏れ、罵声が飛ぶ。その張りつめた空気のなかで客の心を強引に掴み、大爆笑をかっさらわなければならなかった。この厳しい鍛錬があったからこそ、テンポの速い掛け合いや、一瞬で場を支配する度胸が培われた。色気と笑いが同居する異色の現場は、浅草という街の混沌が生み出した唯一無二の芸能文化だった。