結論から言えば、日本の現行法において、実の親と子の法的な親子関係を一方的に消滅させる手続きは存在しない。かつて存在した「勘当」のような制度は現代の民法にはなく、法務省が管轄する家族法の体系でも、生物学上の親子関係を当事者の意思だけで抹消する規定は設けられていない。
例外は、家庭裁判所が関与する「特別養子縁組」によって他家の養子となるケースに限られる。しかし、これは原則として15歳未満(例外措置あり)の子を対象とした福祉的措置であり、成人が自らの意志で実親との親子関係を法的に清算する手段ではない。どれほど親を憎み、精神的な決別を果たしたとしても、戸籍上は実親・実子の関係が残り続ける。これが日本の法制度における厳然たる事実である。
だからといって絶望する必要はない。戸籍そのものを消せなくとも、行政手続きや住居情報の遮断、法的な連絡禁止措置を積み重ねることで、「実質的な絶縁状態」を強固に構築することは十分に可能だ。