1990年、双葉社の『漫画アクション』で産声を上げた本作。原作者の臼井儀人は、バブル崩壊前後の日本社会に漂う閉塞感や世相の矛盾を、5歳の純真無垢な視線を通じて軽やかに暴き出した。
初期の青年誌連載時は、大人向けのブラックユーモアや艶笑小話が前面に出ていたが、根底にあったのは家族の生活臭と人間関係の機微だった。野原家の年齢設定は、当時の日本の平均的な核家族像を精密にサンプリングして構築されたものだ。時代が移り変わり、核家族の形態や生活様式が多様化した現在でも、臼井儀人が設計したキャラクターの基本骨格は色あせることなく、普遍的な魅力を放ち続けている。