高校サッカー史において、今なお語り草となっているのが「歴代最多キッカー記録」です。その代表格が、第89回大会(2010年度)の2回戦、富山第一(富山)対 那覇西(沖縄)の一戦で打ち立てられた両チーム合計29人(16-15)という壮絶な記録です。
さらに県予選にまで目を広げると、第98回大会の埼玉県予選決勝トーナメントなどで20人を超えるロングPK戦が記録されるなど、全員が一巡してもなお決着がつかず、フィールドプレーヤーのみならずGKまでもが2回目のキッカーを務める極限の死闘が繰り広げられてきました。
サドンデスが深まるにつれ、キッカーにかかる負荷は想像を絶するものとなります。「外せば即敗退」という重圧が連続するなか、選手たちは祈るような表情でセンターサークルから仲間を見守ります。ボールをセットしてから主審の笛が鳴り、蹴り終えるまでのわずか数秒間。そこには、記録以上の人間ドラマが凝縮されています。