ジョジョ7部D4Cの真実!能力の仕組みと大統領の思想を徹底解剖

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『スティール・ボール・ラン』の物語において、読者の多くが最初に強い衝撃を覚えるのが、第23代合衆国大統領ファニー・ヴァレンタインが発動するスタンド、「いともたやすく行われるえげつない行為」――通称「D4C(Dirty Deeds Done Dirt Cheap)」の能力の仕組みです。この能力の根底にあるのは、量子論的な多元宇宙解釈を荒木飛呂彦氏独自のビジュアル表現へと昇華させた「並行世界(隣の世界)との次元移動」に他なりません。

D4Cを起動させる絶対条件は、極めて日常的でありながら回避が困難な「二つの物体の間に挟まれること」です。壁とドアの間、地面と敷布の間、あるいは旗と床の間、さらには水滴と地面の間であっても、「物体と物体の間に挟まれた瞬間」にヴァレンタイン大統領とそのスタンドは、隣り合う無数の並行世界へと自由にスライド移動することが可能となります。

この次元移動において最も驚異的な特性は、「受領したダメージの無力化と本体の無限交代」です。大統領自身が致命傷を負ったとしても、死に至る直前に隣の世界へ飛び込み、そこに存在する「無傷の自分」にD4Cを譲渡すれば、記憶や目的意識はそのまま引き継がれ、完全に回復した状態で前線へ復帰できます。荒木飛呂彦氏の手がける『スタンド一覧』の中でも、本体が肉体的な死を乗り越えて実質的に無制限のリスポーン(再誕)を繰り返す機構は、まさに歴代類を見ない凶暴性を放っています。

ただし、この能力には作中で極めて厳密な物理的制約・ルールが設定されています。

第一に、無数に枝分かれして存在する並行世界の中で、物語の核である神聖なる「聖人の遺体」が存在するのは大統領たちが生きている「基本世界(ベースとなるただ一つの世界)」のみという点です。どれほど類似した隣の世界へ向かったとしても遺体は存在せず、D4Cというスタンド能力そのものも、あらゆる次元の中でただ1体、基本世界の大統領に宿る唯一無二の存在です。

第二の鉄則が、熱狂的な考察ファンの間で「メンガーのスポンジ崩壊現象」と呼ばれる物理法則です。基本世界の大統領自身だけは並行世界の自分と接触しても無事ですが、それ以外の人物や物質が別次元の「同一人物・同一物質」と出会った場合、激しい引力で引き合って衝突し、無数の立方体状の裂片となって消滅(対消滅反応)してしまいます。大統領はこの現象を凶器として応用し、並行世界から連れてきた敵の分身を本人にぶつけることで、いかなる強敵をも一瞬で物質崩壊へと追いやってきました。

中川 明日香
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中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。