パサつきを完全に封じ込める最大の裏ワザは、加熱前に「酒と少量の砂糖」を揉み込むことです。調理科学の観点から見ても、この組み合わせは極めて理にかなっています。
砂糖には強い「親水性(水分子を引き寄せて離さない性質)」があり、肉のタンパク質と水分が結合するのを強力にサポートします。一方、酒に含まれるアルコールと有機酸は、肉の繊維を柔らかくほぐし、加熱による急激な縮みを抑える働きを担います。
下準備の手順は極めてシンプルです。まず、ささみ全体をフォークで表裏それぞれ5〜6箇所まんべんなく刺して繊維を断ち、穴を開けます。これにより調味料が中まで素早く浸透し、加熱時の蒸気の逃げ道ができて破裂を防ぐことができます。
ささみ3本(約150g)に対して、「酒小さじ2、砂糖ひとつまみ(約1g)、塩少々」を耐熱容器の中で直接揉み込み、常温で3分ほど馴染ませるだけで、驚くほどの保水効果を発揮します。