かつて日本のエンターテインメント界では、左右対称で非の打ち所がない「人形のような美しさ」がもてはやされる傾向が強かった。その中で、戸田恵梨香の弾けるような笑顔は、時に異端視されることもあった。笑うと歯茎が見える特徴は、一部のメディアやSNSで心ない言葉の対象になることも少なくなかった。
だが、彼女は決して萎縮しなかった。むしろ、感情を爆発させるような演技の局面で、その笑顔を最大の武器として使いこなした。役柄に命を吹き込む際、綺麗に見せることよりも、感情のリアルさを優先する。その泥臭くも美しい姿勢が、視聴者の心を揺さぶった。いつしか彼女の笑顔は、「気になる部分」から「彼女にしか出せない人間味」へと、世間の認識を塗り替えていったのだ。