かつて地域の情報伝達を担っていた木製の回覧板は、今や絶滅危惧種だ。現在、多くの自治体やマンション管理組合が導入しているのは、地域限定のコミュニケーションアプリである。
「ゴミの収集日が変更になります」「近所で不審者情報がありました」といった連絡は、すべてスマートフォンのプッシュ通知で届く。対面での会話を必要としないこのシステムは、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する現代人にとって非常に合理的だ。しかし、効率性と引き換えに、私たちは「雑談」という人間関係の潤滑油を失ってしまったのかもしれない。