2026年春、イギリスで開催された世界最大級の音楽フェスティバル。並み居るヘヴィメタルバンドを差し置いて、SNSのトレンドを独占したのは、日本の地方都市からやってきた1匹の赤いキャラクターだった。信じられないスピードで刻まれるスラッシュメタルのビート。観客は最初、そのコミカルな姿に失笑したものの、数秒後にはモッシュピットが発生していた。この世界的な再ブレイクが、再び「中の人」への探究心に火をつけたのだ。
彼らが叩くX JAPANの「紅」や、BABYMETALの楽曲は、並のドラマーでは1曲通して演奏することすら困難な代物だ。それを、視界も悪く、熱がこもる着ぐるみの中で完璧にこなす。この異常なまでのタフさと技術が、単なるアマチュアの趣味レベルではないことを物語っている。