設備管理の世界は「資格の有無が給与とキャリアのすべてを決める」と言っても過言ではありません。無資格・未経験からでも挑戦は可能ですが、採用率を高め、現場での発言権や資格手当を獲得するためには計画的な資格取得が不可欠です。
入門にして必須の「ビルメン4点セット」
業界で登竜門と呼ばれる基礎資格群が「ビルメン4点セット」です。
- 第二種電気工事士(電工2種):最重要資格。一般住宅や小規模店舗・事業所の配線工事や器具交換が可能になり、未経験採用でも最も評価されます。実技試験を伴うため確実な練習が必要です。
- 危険物取扱者 乙種4類(危険物乙4):重油や軽油、ガソリンなど引火性液体を扱うための資格。非常用発電機の燃料タンクやボイラー燃料の保安管理に必須となります。
- 2級ボイラー技士:建物の冷暖房用ボイラーや圧力容器を安全に管理するための資格。近年は無資格で扱える小型貫流ボイラーが増加していますが、設備の基礎知識として依然として重視されます。
- 消防設備士(乙種4類または甲種4類):自動火災報知設備などの点検・整備を行うための資格。建物の防災管理において必須の知識を網羅します。
キャリアアップと高年収を実現する上位資格
4点セットを揃えた後の次の到達点となるのが、「ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)」です。延床面積3,000平方メートル以上(学校等は8,000平方メートル以上)の特定建築物において選任が義務付けられている国家資格であり、実務経験2年以上で受験資格が得られます。この資格を保持しているだけで、系列系企業への転職や現場責任者への昇格が現実味を帯び、資格手当も月額1万〜3万円程度支給される企業が多く見られます。
さらに最上位資格群として「電験三種(第三種電気主任技術者)」「エネルギー管理士」「第1種冷凍機械責任者」のいわゆる“ビルメン三種の神器”を取得できれば、定年後も70代まで高待遇で再雇用される引く手あまたの専門人材として重宝されます。