「宗教団体が政党を作って選挙に出るのは、日本国憲法が定める『政教分離』に違反しているのではないか?」という疑問は、インターネット上の掲示板やSNSで絶えず投げかけられる典型的な論点です。
しかし、憲法学における通説および最高裁の判例解釈において、この指摘は法的な誤解に基づいています。日本国憲法第20条が禁じている「政教分離の原則」とは、国家権力が特定の宗教を国教としたり、特権を与えたり、あるいは逆に弾圧したりすることを禁止する制度的保障です。宗教団体やその信徒個人が、自らの信条や価値観に基づいて結社を結び、政党を立ち上げて選挙に立候補する行為は、憲法第19条(思想・良心の自由)、第20条(信教の自由)、第21条(集会・結社・言論の自由)、第44条(選挙権・被選挙権の平等)によって完全に保障された正当な権利です。
この法理は創価学会を支持母体とする公明党と同様であり、幸福実現党の存在そのものが憲法違反に問われることは法的にあり得ません。
もう一つの関心事である「莫大な資金源」についても、総務省に提出される政治資金収支報告書を精査すると明快な構造が見えてきます。彼らは国政選挙で要件を満たしていないため、国民の税金から支払われる「政党交付金」を1円も受け取っていません。数億から十数億円にのぼる年間の活動原資は、教団本体からの借入金・寄付金、および党員・信徒からの個人献金によって100%賄われています。税金を使わずに自己資本のみで政治活動を行っているという点においては、公明党や他の既成政党とも異なる独自の自立した資金循環モデルを構築しているといえます。