世代を超えて定着している「Qちゃん」という愛称ですが、マラソンとは無縁のユニークなきっかけから生まれました。時は1995年、大阪学院大学を卒業した高橋尚子氏が実業団のリクルート陸上部へ入社した直後の新入社員歓迎会に遡ります。
当時、新入部員が一発芸を披露する恒例行事において、高橋氏は全身タイツを身にまとい、藤子不二雄の人気アニメキャラクター「オバケのQ太郎」の歌とモノマネを全力で披露しました。実業団の先輩やチーム関係者がその明るさと突き抜けた度胸に驚嘆し、そのまま「Qちゃん」と呼び始めたのが直接のQちゃん 由来です。
自著や当時の特番インタビューにおいて高橋氏は「陸上の強さではなく、歓迎会の一発芸でついた名前がここまで世界中に広まるとは夢にも思いませんでした」と笑顔で述懐しています。陸上界の堅苦しいイメージを吹き飛ばす親しみやすさは、競技生活の初期から彼女の天賦の才能でした。名将・小出義雄監督はこの天真爛漫なキャラクターを見抜き、萎縮させずに実力を開花させる指導方針を固めていきます。