「飼いやすい超大型犬」という表現を耳にすることがありますが、結論から言えば、小型犬の基準に照らした「飼いやすさ」を持つ超大型犬は存在しません。どのような犬種であっても、人間の生命を脅かしかねない物理的パワーを秘めているからです。
犬の飼いやすさを左右するのは、犬種本来の気質以上に、人間側の精神的自立と適切な心理的距離感です。近年、ペットを過度に擬人化し、我が子以上の存在として感情を一身に投影する「共依存関係」が指摘されています。超大型犬に対してこの共依存的な接し方を適用し、甘やかしや主従の曖昧さを放置すると、重大な事故につながる恐れがあります。
超大型犬は本来、作業犬として自立した判断力と高い知能を培ってきた歴史を持っています。毅然としたリーダーシップ、明快なルール設定、そして感情に流されない一貫したトレーニングがあって初めて、彼らが持つ「驚くほど穏やかで思慮深い本質」が開花します。
犬の巨体に寄りかかって自らの心の寂しさを埋めようとするのではなく、お互いの存在を尊重する「心理的バウンダリー(境界線)」を維持できる飼い主こそが、超大型犬との調和ある共生を実現できます。