「少し力を込めれば貫通するはず」とポストを強引にグリグリと押し込む行為は、耳にとって最も危険な対処です。先端が尖っていないファッションピアスであっても、強い圧力をかけると本来のホールの壁を突き破り、組織内に「仮道(かどう=誤った別ルートの傷口)」を作ってしまいます。
ピアスを力任せに押し込む危険性は、単なる一時的な激痛にとどまりません。主なリスクとして以下の3点が挙げられます。
- ホールの二重化と変形:本来のトンネルとは別の方向に穴が穿たれ、ホール内部が複雑に枝分かれしてしまい、二度とまっすぐ通らなくなる。
- 出血と細菌感染:デリケートな毛細血管を断裂させてピアスホールから出血を招き、そこから黄色ブドウ球菌などが侵入して化膿性炎症を引き起こす。
- 肥厚性瘢痕および肉芽(しこり)の発生:損傷した組織が過剰に自己修復を試みる過程で、ピアスホールにしこり(肉芽やケロイド)が形成され、恒久的な変形を残す原因となる。
万が一作業中に出血してしまった場合は、直ちに作業を中断してください。清潔な流水または生理食塩水で洗い流し、清潔なガーゼやティッシュで5分ほど優しく圧迫止血を行うのがピアスホールの出血対処法の基本です。消毒液の多用は皮膚の再生細胞まで破壊するため、過剰な消毒は避けるのが賢明です。