遊技機市場を見渡せば、『新世紀エヴァンゲリオン』『北斗の拳』『魔法少女まどか☆マギカ』など、膨大なアニメーション作品が主力機種としてホールを席巻しています。なぜこれらは許され、アンパンマンは絶対に除外されるのでしょうか。そこにはコンテンツのターゲット層と製作委員会の構造的な差異があります。
深夜帯に放映されるアニメや青年漫画誌発信のIPは、当初から10代後半から大人のファン層をメインターゲットとしています。製作委員会方式を採用する現代のアニメビジネスでは、制作費の回収と続編制作の原資確保のために、遊技機メーカーからの高額なライセンスフィーが極めて重要な資金源として位置づけられています。ファン層の年齢とパチンコ遊技者の年齢層が重複しているため、ビジネス上のシナジーが成立しやすい土壌があります。
一方で、アンパンマンや『ドラえもん』『サザエさん』といった国民的ファミリー向け作品は、単独の出版社や極めて限定されたステークホルダーによって権利が厳重に統制されています。これらの作品が目指すのは「世代を超えた永続的なブランド価値の維持」であり、射幸性ビジネスに依存せずとも、地上波放送、劇場版映画、キャラクターグッズ、テーマパーク(アンパンマンこどもミュージアム)の収益だけで強固な黒字基盤が完成しています。パチンコマネーに頼る動機そのものが最初から存在しないのです。