絶賛の声が並ぶ一方で、ネット上で「スイデンテラス 最悪 理由」といった検索行動が起きる背景には、利用者の事前期待と現場の設計思想との間に生じる3つのミスマッチが存在します。宿泊記ブログや口コミサイトの不満点を丹念に紐解くと、建物の欠陥ではなく「事前理解の不足」が主な原因であることが浮き彫りになってきます。
第1の要因は、「水田の季節性による景観のギャップ」です。プロモーション写真で頻繁に目にする「水鏡に映る美しいホテル」が体験できるのは、田んぼに水が張られる5月上旬から初夏にかけての限られた期間です。秋の収穫直後(茶色い土の露出)や、冬の荒天時に訪れたゲストが「写真と全く違う」と失望するケースが後を絶ちません。
第2の要因は、木造建築特有の遮音性と長い移動動線です。坂茂氏の意匠を活かした木造共役構造であるため、コンクリート打ち放しの都市型高級ホテルのような完全な防音性を期待すると、廊下の足音や隣室の物音が気になりやすくなります。また、敷地が横に広大であるため、フロントから宿泊棟、大浴場や図書棟への移動距離が長く、高齢者や足の不自由な同行者から不満が出る傾向があります。
第3の要因は、「ラグジュアリー旅館」としての過度なサービス期待です。当館は至れり尽くせりのフルサービス型高級旅館ではなく、セルフ型オペレーションを取り入れたモダンなコミュニティホテルです。スタッフによる過剰な手荷物搬送やおもてなしを求めると、「サービスが素っ気ない」と感じる原因になります。