本作最大の特徴であり、リスナーの心を掴んで離さないのが、サビの「夏の星座にぶらさがって 上から花火を見下ろして」という圧倒的なスケール感を持つフレーズです。
地上で開催されている花火大会の喧騒から遠く離れ、夜空の星座に一人ぶら下がるという非現実的なシチュエーション。この比喩表現が示唆しているのは、「好きな人のすべてを誰よりも高い場所から見張っていたい」という狂おしいほどの執着と、「現実にその隣へ行けない自己の無力さ」という二面性です。
花火を見上げる群衆の中にいる彼を、星座から見下ろす。花火が消える一瞬の闇に紛れて、彼を連れ去ってしまいたいという切実な願いは、ファンタジックでありながら背筋が凍るほど純粋な恋情の現れです。この大胆な視点の飛躍こそが、シンガーソングライター・aikoの真骨頂と言えます。