身体的な衰え以上に深刻なのが、認知機能の低下だ。夫婦のどちらか、あるいは双方が認知症を患った場合、財産管理や日常生活の契約行為が困難になる。子供がいれば成年後見制度の利用や家族信託がスムーズに進むことも多いが、夫婦二人きりの場合はそうはいかない。
「配偶者が先に認知症になり、自分も体調を崩した時、誰が私たちの代わりに決断してくれるのか」。こうした不安は、単なる取り越し苦労ではなく、明日にでも直面しうるリアルな危機だ。信頼できる専門家や第三者とのつながりを生前に構築しておくことが、死活問題となっている。