一般には見えにくい勧誘の手口や内部の実態について、元信徒や関係者への独自取材から浮かび上がったデータと証言を整理する。
勧誘の端緒となるのは、街頭での声かけではなく、既存の人間関係だ。「お茶を飲まないか」「素晴らしい庭園がある施設に行ってみよう」といった何気ない誘いから始まり、本人の悩みを聞き出した上で「接心を受けてみれば心が晴れる」と促すのが典型的なアプローチである。
世間の評判は二極化している。「無理な金銭要求がなく穏やか」と好意的に受け止める層がいる一方、熱心な信徒を持つ家族からは「毎週末のように道場へ通い、家庭を留守にする」「知人を勧誘することに必死で人間関係が壊れた」といった苦情も根強い。
脱会を決意した人々が挙げる主な理由は以下の通りだ。
一つ目は「接心疲れと金銭的負担の蓄積」である。1回あたりの会費や接心料は数百円から数千円程度と低額に見えるが、修行の回数を重ね、位階を上げるための講習や特別法要への参加が重なると、年間での支出は決して小さくない。時間と金銭の消費に限界を感じて離脱するケースが多い。
二つ目は「二世・三世世代の心理的乖離」だ。親の熱心な信仰によって幼少期から道場へ連れて行かれた子どもたちが、成人を機に自らの意思で距離を置く現象が顕著になっている。
文化庁宗務課が発行する『宗教年鑑』などの統計データを参照しても、国内の信者数は全体として横ばいから微減傾向にあり、既存信徒の高齢化と若年層の定着難という構造的課題が数字にも影を落としている。