「焼き上がりの10秒で、勝負が決まるんです」――そう語るのは、この饅頭を手掛ける創業80年の老舗和菓子店の3代目職人だ。これまで一切メディアの取材を受け入れてこなかった工房の奥へ、特別に足を踏み入れることが許可された。
美味しさの最大の秘密は、独自に配合された生地の焼き加減と餡の練り方にある。皮には厳選された国産小麦と微量の蜂蜜を練り込み、特製の銅板で表面だけをカリッと香ばしく焼き上げる。一方で、包まれる餡は北海道産小豆をじっくりと時間をかけて炊き上げ、驚くほどなめらかで濃厚な味わいに仕上げられている。職人の長年の直感と技が職人技の極みを生み出しているのだ。