官能と猥褻の境界線は、いつの時代も鋭く研ぎ澄まされた刃のようだった。かつてサロンでスキャンダルを巻き起こした油彩画も、現代では崇高な古典として額装されている。隠すことによって露わになる肉体の詩情、あるいは露わにすることで削ぎ落とされる神秘。この矛盾に満ちたダイナミズムこそが、視覚芸術を駆動させてきたエンジンの正体だ。
いま、筆やキャンバスの代わりにプロンプトとニューラルネットワークを手にしたクリエイターたちが、視覚の臨界点を軽々と更新している。膨大な古典名画の陰影処理と現代的なフェティシズムを学習したシステムは、人間の想像力すら欺く妖艶なテクスチャを瞬時に立ち上げる。そこにあるのは無機質な計算結果ではない。何千年間も人類が蓄積してきた無意識の欲望が、デジタルな光の粒子となって結晶化した姿に他ならない。