全国の神社を統制する頂点に立つのが、東京・代々木に拠点を置く神社本庁だ。各都道府県神社庁は、その指令塔と各地の神社を結ぶ実動部隊として機能している。神社の最高責任者である「宮司」や補佐役の「禰宜」などの任命権は、実質的に本庁と都道府県神社庁が握っている。個々の神社が独立した単立宗教法人でありながら、人事と教義の面で中央組織の規約に強く縛られる構造がここにある。
さらに神社庁は、神職の階位認定や表彰、研修の実施に加え、各神社から徴収する「分担金」の査定と回収も担当する。神職の昇進や格式の維持には上部組織の承認が不可欠であり、地方の社務所にとって都道府県神社庁の意向は絶対的な重みを持つ。祈りの現場である神社は、極めて厳格な官僚制とピラミッド型の身分序列によって規律されているのだ。