梅流しの驚異的な排泄作用は、決してオカルトではない。大根と梅干しが起こす明確な化学反応と、消化管の物理的メカニズムに基づいている。
主役となる大根には、豊富な水分と食物繊維(不溶性と水溶性の優れたバランス)、そして消化酵素のアミラーゼが含まれる。これが固まった便をやわらかく整える土台を作る。
そこへ追撃をかけるのが、梅干しに凝縮された大量のクエン酸だ。クエン酸が十二指腸に達すると、胆汁の分泌が強力に促進される。胆汁は脂質を分解するだけでなく、腸管をダイナミックに刺激して強い蠕動(ぜんどう)運動を呼び起こす。さらに、約2リットルにおよぶ温かい煮汁が一気に胃から腸へ流れ込むことで「浸透圧の変化」と「水圧」が生まれ、溜まった老廃物を押し出す仕組みだ。