既存の政治倫理を嘲笑うかのようなパフォーマンス。それが彼の原点だった。「スーパー クレイジー 君」という奇抜な無所属候補の登場に、当初ベテラン政治家たちは冷ややかな視線を送っていた。しかし、TikTokやX(旧Twitter)を駆使したド派手な街頭演説は、これまで投票所に足を運ばなかった層を確実に惹きつけた。戸田市議選での当選は、単なる色物候補の悪ふざけではなく、ネット時代の新たな選挙運動の威力を証明する事件として全国ニュースで大きく報じられた。
だが、栄光は長くは続かなかった。居住実態の不備を理由とした当選無効の決定、そして相次ぐ裁判闘争。行政と対立を深める中で見せた強気の姿勢は、一部のファンを狂喜させたものの、地方政治のリアルな参入障壁とルールに阻まれる形となった。メディアのカメラが追う劇場型政治の裏で、政治家としての素養や実務能力を疑問視する声は早くからくすぶっていたのである。