関東ローム層が「家を建てるなら安心な土地」と称賛される最大の理由は、地震時の揺れや変形に対する粘り強さにある。とくに埋立地や河川沿いの低地で猛威を振るう液状化現象に対して、圧倒的な強さを誇ることは特筆すべき事実だ。
秘密は、土の微細な骨格構造にある。火山灰粒子同士が長い年月をかけて複雑に絡み合い、強固な「団粒構造」を形成しているのだ。土の中に水分を多く含んでいる状態であっても、砂地のように水と粒子が分離して泥水化することが構造上起こりにくい。
東日本大震災をはじめとする過去の大地震でも、臨海部の埋立地が激しい液状化に見舞われた一方、武蔵野台地や多摩丘陵などのローム層上に位置する住宅地では、地盤そのものの流動化による壊滅的な倒壊被害は極めて限定的だった。強固に噛み合った土のネットワークが、天然の耐震クッションとして都市を支えている。