水素イオン濃度とPhの決定的な違いとは?対数の理由と計算公式を徹底解説

水素イオン濃度とPhの決定的な違いとは?対数の理由と計算公式を徹底解説

水素イオン濃度とPhの決定的な違いとは?対数の理由と計算公式を徹底解説とはどんな影響があるのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

水溶液中の酸性の強弱を決める主役は、水溶液中に解離している水素イオン(オキソニウムイオン、$\text{H}_3\text{O}^+$、一般に$[\text{H}^+]$と表記)の存在量です。しかし、日常生活や実験室で扱う水溶液の水素イオン濃度は、極端な広がりを持ちます。濃塩酸のような強酸では$1\text{ mol/L}$($10^0\text{ mol/L}$)前後に達する一方で、強アルカリ水溶液では$0.00000000000001\text{ mol/L}$($10^{-14}\text{ mol/L}$)という途方もない極小値を示します。

この膨大かつ微細なスケールを日常の実験記録で「$0.0000001\text{ mol/L}$」とゼロを書き連ねて表記することは、誤記や転記ミスの温床となっていました。こうした不便を抜本的に解決したのが、pH定義と導出の経緯における主役、デンマークの生化学者セーレン・ペーダー・ラウリッツ・セーレンセン(S.P.L. Sørensen)です。1909年、カールスバーグ研究所でビール醸造における酵素反応を研究していたセーレンセンは、水素イオン濃度のわずかな変動が発酵効率を激変させる事実に直面し、濃度を簡便に表記する新体系を考案しました。

彼が提唱したのが、水素イオンの濃度指数の頭文字をとった「水素イオン指数(pH)」です。数学的な定義式は以下の通りに確立されました。

$\text{pH} = -\log_{10} [\text{H}^+]$

ここで常用対数log計算の理由が明快になります。底を10とする対数(常用対数)を用いることで、$10^{-1}$から$10^{-14}$という「1兆倍もの開きがある天文学的な濃度領域」を、わずか「1から14」という極めて認知しやすいリニアな数値へとマッピングできるのです。マイナス符号を付与しているのは、指数部分が常に負になるため、数値を正の整数や分かりやすい小数として扱うためのスマートな工夫に他なりません。

渡辺 美咲
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渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。