毎日欠かさず入浴し、足指の間までしっかり泡立てて洗っているのに、なぜ足の臭いが取れないのでしょうか。その決定的な理由は、皮膚表面をいくら洗浄しても、足裏の分厚い角質層に浸透した「イソ吉草酸(いそきっそうさん)」と、それを生み出す雑菌の温床を取り除けていない点にあります。
足の裏には、背中や胸の約5倍から10倍に相当するエクリン汗腺が密集しており、1日に成人でコップ1杯分(約200ml)もの汗を分泌します。本来、エクリン汗腺から出る汗そのものはほぼ無臭です。しかし、靴や靴下によって密閉された高温多湿(湿度約90%以上、温度約30℃前後)の環境下では、皮膚常在菌(表皮ブドウ球菌やコリネバクテリウム属など)が爆発的に繁殖します。
これらの雑菌が、剥がれ落ちた角質、皮脂、汗に含まれる成分をエサとして分解する過程で産生するのが「イソ吉草酸」です。イソ吉草酸は特定悪臭物質に指定されているほど強烈な臭気を放つ脂肪酸で、わずか数ppmという微量でも人間の嗅覚に強烈な不快感を与えます。横浜内科・在宅クリニックをはじめとする医療機関の臨床知見でも解説されている通り、一般的な美容ボディーソープや洗顔フォームでは、油分となじんだイソ吉草酸を化学的に完全に中和・剥離できず、さらに角質層の細かな亀裂に入り込んだ雑菌を殺菌しきれません。これが、「洗った直後なのにすでに臭う」という現象の正体です。