結論から明かすと、ネット上で囁かれる「オリーブベージュ色落ち緑になる」という噂は、特定の条件下でのみ起こる現象です。地毛が持つメラニン色素の特性上、すべての人が退色後に緑髪になるわけではありません。
日本人の髪質は本来、赤みやオレンジみを帯びたユウメラニンが豊富に含まれています。オリーブベージュ赤み消し理由として挙げられるのは、色相環において赤の真反対に位置する「緑(マット)」をぶつけることで、嫌な赤みを無彩色へ打ち消す補色効果です。黒髪やダークトーンをベースに染めた場合、抜けていく過程で現れるのは赤みの抑えられたまろやかなブラウンであり、不自然な緑色には決して変化しません。
では、なぜ「緑になった」という報告が散見されるのでしょうか。表参道のサロンで月間300名以上のカラーを担当するトップスタイリストは、次のように背景を語ります。
「緑色に変色してサロンに駆け込んでくるお客様の9割以上は、15レベル以上のブリーチ履歴をお持ちです。髪の黄ばみが極端に強いベースに、青みの強い濃いオリーブ染料を重ねると、絵の具の黄色と青が混ざって発色するように、鮮やかなグリーンが毛髪内部に沈着します。さらに、塩素濃度の高い水道水やプールの銅イオンが付着することで、緑色への偏色が一層強まるケースも確認されています」
つまり、問題の本質はオリーブベージュという色味そのものではなく、ベースの明るさ(アンダートーンの残留黄み)と染料の配合バランスにあります。美容師が髪の履歴を見誤り、黄みが強いベースに対して補正用の紫やピンクを微量配合せずに濃縮マット単剤で染めた場合、退色時に濁ったマットグリーンだけが残留してしまうのです。