応援歌と切っても切り離せないのが、選手自身が打席に入る際に球場スピーカーから流れる「登場曲」です。私生活では飾らない人柄とお茶目なキャラクターでチームメイトから愛される岡本選手ですが、登場曲のセレクトにもそのユニークな感性が色濃く反映されています。
岡本選手の登場曲を語る上で欠かせないのが、大ファンを公言している国民的アイドルグループ嵐(ARASHI)の楽曲群です。プロ入り初期から「A・RA・SHI」や「Monster」「カイト」「Love so sweet」など、打席ごとに嵐の名曲を使い分け、東京ドームを温かい高揚感で包み込んできました。
さらに近年では、ヒップホップ、最新のK-POP、ストリーミングチャートを賑わす旬の邦楽ロック(VaundyやSaucy Dogなど)を柔軟に取り入れるハイブリッドな選曲を見せています。試合の局面や自身のメンタル状態に合わせ、リラックスを促すポップチューンと、闘争心を鼓舞するアップテンポなナンバーを巧みに配置するスタイルが定着しました。
スタンドの観客は、まず親しみやすい登場曲で笑顔になり、直後に切り替わる重厚な応援歌のファンファーレで戦闘モードへと引き戻されます。この「日常的な親しみやすさ」から「四番の風格」への鮮やかなコントラストこそが、岡本和真という稀代のスラッガーが持つ最大のエンターテインメント性といえます。