試合前のグラウンドに静寂が訪れる瞬間がある。つば九郎がスケッチブックをめくる合図だ。芸能界のスキャンダルから球界のきわどい裏話、さらには自軍のベンチ事情まで、一切の忖度なしに切り込むフリップ芸は、中継局であるフジテレビONEのカメラも思わず寄り気味になる名物コーナーとなっている。
ベンチから見つめる高津臣吾監督が思わず苦笑いを浮かべ、頭を抱える場面も日常茶飯事だ。しかし、この一見ギリギリを攻めた演出こそが、雨天中断時の重苦しい空気を一変させ、敗戦ムードに沈むスタンドに笑顔を取り戻す。YouTubeなどのプラットフォームを通じて切り抜き動画が拡散され、球場外の新規ファンを呼び込む起爆剤となっていることからも、その卓越したスポーツエンターテインメント性がうかがえる。