中央省庁再編によって2001年に誕生した総務省は、旧自治省、旧郵政省、旧総務庁が統合された「マンモス官庁」です。そのため、総務大臣の役割と権限は他省庁の大臣と比較しても突出して広範かつ強大です。
第一の柱が地方自治法と総務大臣の関係性です。全国1,700以上の市区町村および47都道府県の行政・財政を監督し、地方の生命線である地方交付税交付金(年間約18兆〜19兆円規模)の配分権を握っています。さらに、非常時において国が自治体に是正を求める「指示権」の運用など、地方分権と国権のバランスを左右する決定権を持っています。
第二の柱が放送行政と総務大臣の権限です。地上波テレビやラジオの電波割り当て、放送免許の付与・更新権限を大臣が保持しています。過去には放送法4条(政治的公平性)を巡る電波停止の可能性に関する国会答弁がメディアを大きく揺るがしたように、言論空間に対する潜在的な影響力は極めて絶大です。さらに、NHKの予算案は総務大臣の意見書を付して国会に提出されるため、公共放送の受信料体系やネット配信業務のあり方にも直接的な指導力を発揮します。