事故が発生したのは、激しい運動が制限されるべき酷暑の日の午後だった。城北中学校の体育館内では、男子バスケットボール部が翌週に控えた大会に向け、過酷なシャトルランや対人練習を繰り返していた。当時、体育館の大型扇風機は回っていたものの、エアコンの運用を巡る校内ルールの甘さから室内温度は急速に上昇。暑さ指数(WBGT)は警戒レベルに達していたとされる。
生徒が「頭痛と目眩がする」と訴え出た際、現場の指導陣は十分な冷却処置を行わず、単なる疲労と判断してベンチでの一時休憩にとどめた。その後、生徒の意識が混濁し倒れ込むまで本格的な水分補給や身体の冷却、迅速な119番通報が行われなかった。安全配慮義務の欠如と初期対応の遅れが重なった結果、最悪の事態を招いた要因と言わざるを得ない。