五ヱ門の過去を振り返ると、彼とルパン三世の関係は「命を狙う敵同士」から始まっています。百地三太夫の弟子としてルパン暗殺を命じられた五ヱ門は、幾度となく刃を交える中でルパンの器の大きさと師匠の裏切りを知り、やがて行動を共にするようになりました。
五ヱ門はルパンの部下ではなく、あくまで「対等な独立採算のプロフェッショナル」です。そのため、利害が一致しない時や自身の武者修行の妨げになると判断した際は、あっさりと一味を離脱したり、別行動を取ったりします。しかし、仲間が窮地に陥った際には「ルパン、助太刀いたす」の一言とともに颯爽と現れるツンデレ的な信頼関係こそが、ファンの心を掴んで離さない最大の要因です。
また、決め台詞である「また、つまらぬ物を斬ってしまった」という名言の意味についても、単なる傲慢さの誇示ではありません。本来は魂を持った強敵と正々堂々立ち会うことを本懐とする武士が、銃弾や鉄扉、果ては飛行機といった「無機質な障害物」を斬らざるを得ない現代社会に対する、静かな自嘲と哀愁が込められているのです。