一方、2017年に韓国でリリースされ、YouTubeでのミュージックビデオ再生回数が2億回を突破しているSEVENTEENの代表曲『Don't Wanna Cry』は、まったく異なるエモーショナルなアプローチを見せています。
韓国語の原題である『울고 싶지 않아(ウルゴシプチアナ)』は、日本語でまさに「泣きたくない」を意味します。それまでのSEVENTEENが見せていたエネルギッシュで爽やかな少年像から一変し、人生で初めて経験する深い喪失感と孤独をテーマにした楽曲です。
この楽曲における「泣きたくない」という叫びの背景には、非常に繊細な心理描写が存在します。
- 別れの拒絶:涙を流してしまうと、大切な人との別れを自分自身が認めてしまうことになるから「泣きたくない」。
- 再会への執着:「泣いている姿を見せたら、君が本当に戻ってこなくなってしまうのではないか」という悲痛な怯え。
- 逆説的な絶望:「泣きたくない」と強く念じれば念じるほど、溢れ出る涙を止められないという人間の心の矛盾。
広大な砂漠や都市の孤独を背景にしたMVの映像美と、全員でシンクロする哀切なコンテンポラリーダンスは、言葉の壁を越えて世界中のリスナーの胸を締め付けました。直訳の「泣きたくない」の裏にあるのは、「君を失いたくない」という切実な祈りそのものです。