現代の傑作たちへと繋がる系譜を語るうえで、鈴木央氏による『ブリザードアクセル』の存在を忘れることはできない。注目を集めることだけに命を懸けていた少年・北里吹雪が、フィギュアスケートという運命の舞台と出会い、前人未到の跳躍へと挑んでいく熱血巨編だ。
荒唐無稽とも思える豪快な技の数々を描きながらも、その根底には「観客を沸かせるための絶対的な努力」というエンターテインメントの本質が貫かれていた。ジャンプひとつに魂を乗せる男の意地は、いま振り返っても色褪せない熱量に満ちており、ジャンルの黎明期を支えた重要な道標として語り継がれている。