「養老乃瀧」と聞いて、学生時代の飲み会や会社の先輩に連れられた新入社員時代を懐かしく思い出す人は多いはずです。1956年に横浜で第1号店をオープンさせて以来、同社は日本におけるフランチャイズ居酒屋ビジネスの草分けとして急成長を遂げ、ピーク時には全国で1,000店舗以上を展開していました。
しかし、現在の養老乃瀧単体での店舗数は大きく減少しています。この変化を見て「経営難で衰退しているのではないか」と勘違いする向きもありますが、実態は計画的な「ブランド再編と業態ポートフォリオの最適化」です。
店舗減少をもたらした決定的な要因は、主に以下の3点に集約されます。
- 外食市場の低価格競争と専門特化:鳥貴族をはじめとする均一価格チェーンや、串カツ、焼き鳥などの専門業態が台頭し、総合居酒屋のポジショニングが再定義を迫られたこと。
- オーナー高齢化とフランチャイズ店の代替わり:昭和期に加盟した個人オーナー店舗の引退に伴い、自然減の形をとった計画的な閉店が進んだこと。
- グループ内業態への積極的リニューアル:立地や客層に合わせて「一軒め酒場」や「だんまや水産」など、時代ニーズに即した別ブランドへ店舗を転換させたこと。
無理な店舗拡大を追うのではなく、採算性の高い店舗と熱心な常連客が集まる拠点を厳選して残す戦略を取った結果、養老乃瀧は現在も堅実な経営基盤を維持しています。