当時の映画界を大いに沸かせたのは、何と言っても鈴木亮平の徹底した役作りだった。原作のキャラクターになりきるため、30キロ以上の増量を果たして現場に臨んだその姿は、ストイックという言葉だけでは括れない役者魂の塊そのものだった。
一方、当時まだ10代半ばだった永野芽郁が見せた伸びやかな存在感も特筆に値する。無垢な笑顔と瞬時に感情を伝える透明感溢れる演技は、鈴木が作り上げた重厚な世界観に見事な光を吹き込んだ。ふたりのコントラストが生み出した純度100%のドラマは、単なるコミック実写化の枠を超え、観客の心を鷲掴みにしたのである。