コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが湿気を吸い、微小なスパークを繰り返すことで発火に至るトラッキング現象。目に見えにくい家具の裏やテレビ台の隙間は、まさに火種が静かに育つ格好の温床だ。東京消防庁が公表する統計データでも、電気設備機器や配線器具に起因する火災事例は毎年相次いで報告されており、その多くが普段意識しにくい隠れた場所で発生している。
さらに見落とされがちなのが、製品自体の経年劣化という問題だ。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による製品事故の検証では、外観上に明らかな損傷が認められなくても、長年の曲げ伸ばしや重みによる内部断線、接触不良が局所的な異常発熱を引き起こすメカニズムが明確に示されている。5年以上使い続けたコード類は、すでに目に見えない危険領域に足を踏み入れている可能性がある。