暴力団排除条例の網は、彼らの死後すらも容赦なく縛り付ける。現在、多くの民間斎場やホテルは、暴力団関係者の利用を規約で明確に拒否している。名前を隠して契約すれば、それだけで詐欺罪に問われるリスクが生じるのだ。結果として、かつてのような大々的な「組葬」は事実上不可能となり、ひっそりとした家族葬や密葬を選択せざるを得ない状況に追い込まれている。
葬儀会社側への風当たりも強い。反社会的勢力に場所を提供したとなれば、企業の社会的信用は一瞬で失墜する。ある葬儀業界の関係者は「事前の身元確認は徹底している。もし後から判明した場合は、即座に契約を解除する方針をとっている」と語る。死者を弔うという人間としての基本権すら、彼らには極めて狭い選択肢しか残されていない。