長年バンドの核としてステージに立ち続けていた桑原彰が脱退を決意した背景には、単なる方向性の違いにとどまらない、音楽家としての深い葛藤があった。トップを走り続ける過酷なスケジュールと、巨大化するバンドの看板が生み出すプレッシャー。関係者によると、スタジオでの制作作業が重なるにつれ、彼自身の求めるギターサウンドとバンドが目指すスケール感との間に、静かなズレが生じ始めていたという。
「妥協してステージに立ち続けるくらいなら、一度立ち止まりたい」。関係者が明かす彼の言葉には、ギタリストとしての誇りと誠実さが滲み出ていた。突発的なトラブルや感情的な対立ではなく、何度も話し合いを重ねた末の決断だった。