最も悲惨なシナリオは、家庭内で進行する。自己愛的な人物のパートナーや子どもたちは、長年にわたる精神的支配(モラルハラスメント)に耐えかね、ある日突然、静かに去っていく。いわゆる「熟年離婚」や、子どもからの「絶縁宣言」である。
支配対象を失った彼らは、激しい怒りと被害者意識に囚われる。「なぜ自分がこんな目に遭うのか」「恩知らずだ」と周囲を呪うが、去っていった家族が戻ることはない。残されるのは、誰からも見向きもされない広い家と、静まり返ったリビングだけだ。地域のコミュニティからも孤立し、孤独死の予備軍となっていく現実がそこにある。