洋画吹き替えの世界において、内田直哉の名を不動のものにした代表格が、名優アル・パチーノのフィックス(専属吹き替え)だ。『ヒート』や『ゴッドファーザー』シリーズをはじめ、彼が演じるアル・パチーノの日本語吹き替えは、海外映画ファンから絶大な支持を集めている。
アル・パチーノ特有の、静けさから突如として爆発する狂気や哀愁。内田はその絶妙な感情の揺れ幅を、日本語のニュアンスに完璧に落とし込む。海外のフィルム制作陣や映画ファンからも高く評価されるその技術は、文字通り「原音を超えたリアリティ」を創出している。
吹替現場でのエピソードとして、彼は原音の俳優が発した唇の形や喉の絞り具合まで微細に観察し、完璧な同調を目指すという。妥協を許さないその探求心が、スクリーン越しのキャラクターに生々しい命を与えるのだ。