日本のポップカルチャーが世界へ波及するなか、彼の名前を地球規模へと押し上げた決定打が、小説『マリアビートル』の映画化である。世界的な配給元であるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの手によってメガホンが取られ、ハリウッド映画『ブレット・トレイン』として生まれ変わった。
主演を務めたのは、ハリウッドのトップスターであるブラッド・ピットだ。世界で最も運の悪い殺し屋「レディバグ」を演じた彼のコミカルかつキレのあるアクションは、原作が持つ独特のユーモアと緊張感を見事に映像へ昇華させた。東京から盛岡へと向かう新幹線という密室で繰り広げられる群像劇は、海外の映画ファンをも熱狂させた。
原点となる『マリアビートル』を刊行した新潮社にとっても、この世界的成功は国内文学の可能性を大きく広げる歴史的快挙となった。海外の読者や映画ファンが「Isaka World」に開眼するきっかけとなった本作は、今やグローバルな文学的アイコンとして君臨している。