ワッサーの歴史は、長野県須坂市にある果樹園で幕を開けました。1980年代後半、園主である中村渡(わたる)氏の農園で、隣り合って植えられていた「白桃」と「ネクタリン(ズイホウ)」の花粉が風や昆虫の媒介によって自然交配し、これまでにない実をつけたことが始まりです。その類まれな美味しさと栽培適性の高さから選抜育成が進められ、1990年に品種登録が出願、1992年に農林水産省へ正式登録されました。
ユニークな「ワッサー」という名前の由来は、育成者である中村渡氏が幼少期に呼ばれていた愛称「ワッサー」から名付けられました。海外由来の品種と誤解されることも多い名称ですが、実は信州の果樹農家の温かいルーツが込められた純国産の地域特産品です。
長野県須坂市は、千曲川流域の水はけが良い土壌と、昼夜の寒暖差が大きい気候に恵まれており、糖度が高く実の締まった果実を育てるのに最適な環境が整っています。現在も全国のワッサー生産量の大半を長野県が占めており、地域の果樹栽培を牽引する重要な特産フルーツとして大切に守り育てられています。