B級の世界には、情熱が明後日の方向に爆発した愛すべき鬼才たちが存在する。その筆頭が、「史上最低の映画監督」と称されたエド・ウッドだ。墓石が倒れるチープなセットや辻褄の合わないストーリー展開にもめげず、彼は生涯にわたって自身の映画愛を貫いた。その狂おしいまでの情熱は後にティム・バートンによって映画化され、映画史に永遠の爪痕を残すこととなる。
そして時代は下り、そのB級愛を極上のエンタテインメントへ昇華させたのがエドガー・ライトだ。彼は低予算ホラーやアクション映画の文法を徹底的に研究し、ポップでスタイリッシュな映像感覚と畳みかけるテンポのギャグで世界中の映画ファンを狂喜させた。
拙い技術であっても情熱が宿る作品と、そのオマージュを完璧な職人技で仕上げる監督。この二人の存在は、映画における「面白さ」の本質が予算の多寡ではないことを証明している。